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新医院「陽だまりクリニック美しが丘」開設に向けて

[2021.09.01]

陽だまりクリニック美しが丘は、医療法人社団 野口クリニックから分岐して新設されるクリニックです。

開院予定が、11月1日です。このコラムを書いているのが、9月1日、ホームページも公開させていただきました。開院まであと2ヶ月、すでにクリニックの内装工事も始まっています。

人間の誕生に例えると、お母さんのお腹の中でいよいよ胎動を始めた頃に当たるのだろうとぼんやりと考えています。まだ見ぬ我が子を思うように新しいクリニックの誕生に思いを馳せています。その思いをここに綴り、いつでもクリニックを開設したときの初心に戻れるようにしておこうと思います。

心身の不調をきたすとき、その方の内部で何が起きているのか、それをいつも考える。何が悪かったのか、誰が悪かったのかを考えるのではない。その人が生きてきた道のりを丹念に振り返りたいと思う。どういう環境で、ご両親や保護者の方々と幼少期、学童期とどういう関わりがあり、どのように育てられたのか、どんな特徴があった子どもだったか、周囲の求める子どもらしさとのズレがどういう形で表沙汰になり、それに対して周囲はその子どもにどう接してきたのか、そのことの理解は、年余を経て心身の不調を生じて受診してきた方々にどういうスタンスで治療に臨むかということの道標となってくれる。そしてその道標は、回復に向けての道標を我々に示してくれるのである。特に学童期・思春期の方にとっては、このことの理解は直接治療に結びつく。子どもは言葉で自分の内面を表現するのが難しいが、箱庭やプレイ(遊び)を通して言葉にならない抑圧された内面を表に出してくれる。そのためには、それを導き出す仕組みが必要である。多種多様な人形や模型、ミニチュアを配置する舞台(箱庭)や体を動かし遊びの中で見せる行動を展開できるスペース(プレイルーム)などが必要である。

医療法人社団野口クリニックは鷺沼の本院で30年近く地域で求められる精神科医療を行ってきましたが、その診療の中で子どもを取り巻く問題への治療の要望も高まっていることを感じていました。鷺沼本院は、地域から求められる要望にお応えするにはスペースが狭く、プレイルームを設置する空間はなく、それ以上に来院いただく方が多い時間帯は、通路で患者様同士が接触してすれ違わないといけない場面も多々ありました。

こうした状況に有効な治療を十分に行うことができる仕組みを作る必要性を日々実感していました。数年前から十分なスペースと構造を有する新院を開設することを検討するようになり、ついに動き出すことになりました。

地域で根を下ろし、限られた中で診療を行ってきた我々小さなクリニックにとっては、大きなステップです。今までの丹念な取り組みの中でスタッフ一同培ってきたものがありますが、地域の皆様により頼りにしていただける様にさらに成長していきたいと思っています。我々に足りないもの、皆様のご要望に及ばないものがあれば、遠虚なく苦言を呈していただければと思います。その声に真摯に向き合うことで、より信頼される医療機関・医療者へと成長していけると信じています。

内装工事前のクリニック内部

 

 

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