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統合失調症の診断・治療

幻聴、妄想、思路障害、自我障害などの精神症状を特徴とする病いですが、病状から他者との安定した交流を築くことが困難となり、また監視されているとか除け者にされているとかの確信を抱きやすく、社会の中に身を置くことに不安や恐怖を感じ、引きこもってしまいがちになります。そのまま放置した場合、脳の正常な機能が徐々に蝕まれ、生活上の身の回りの必要なこともできなくなります。

症状の一例

幻聴は有り有りと聴こえるもので、壁の向こうから聞こえてくることもあれば、通行人とすれ違うその瞬間に聞こえることもあります。いずれも不安感や恐怖感を伴い感情が刺激されるため、見張られている、組織から狙われているなどの妄想に繋がりそれが確信へと進んでいきます。ご家族がその妄想の対象になった場合は、患者さんからみると身を守る自己防衛ですが、ご家族に対する粗暴行為として発露することもあります。一方で身の回りのことが主体的にできなくなり生活は徐々に荒廃していきます。ブツブツと独り言を言って自室に籠ることもあります。こうした状態が出現した場合は速やかに専門医療機関にかかって早期での治療開始が望まれます。症状はここに列記したものばかりではなく多種多様ですので、おかしな言動があればご相談ください。

診断と治療

診断は、他に症状を起こすような身体的な病気が見当たらないこと、そして現在の状況やそれに至った経緯を丹念にご本人やご家族、関係者にお伺いすることで行います。現在は有効な薬剤が多く存在します。心配になる副作用も以前と比べると少なくなっています。病いは統合失調症でも患者さんにより、その人なりの特徴があります。その方に見合ったお薬を探っていきます。お薬も持効性注射剤といって4週に1度注射するだけで良いものなど様々なタイプがありますので、その方の特性や生活状況に合った選択をしていくことになります。お薬ではなく電気による治療もあります。現在は苦痛もなく安全に行われるようになっております。(なお持効性注射剤による治療および電気による治療は当院では現在行っていませんので、必要な方には適切に専門医療機関にご紹介させていただいています。)

治療へのアクセス

この疾患の方の治療の開始には独特の難しさがあります。それは医療へのアクセスが難しい場合が多いことです。幻聴や妄想は、体験している患者さんは現実と感じていますので、病気であると周囲やご家族が指摘しても受け入れられない場合もあります。その場合、保健所や家族相談を受け入れている精神科病院に相談に行かれることをお勧めします。ご本人が何かおかしい、変だと自覚できていたら、クリニックでも早期の治療的介入が可能です。ご相談いただければと思います。この疾患は治療が遅れば遅れるだけ回復が難しくなります。ご本人でもご家族でも気になったらなるべく早く専門の医療機関にご相談ください。

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