当院で行う薬物治療について
精神科にかかると、多くの薬を出され、癖になりやめられなくなる、または薬により心も体も蝕まれてしまい戻れなくなると不安になる方も多く、一方で自分の意思でなんとか出来る、精神科の薬に頼るような状態ではないと踏ん張り続ける方々もおられます。
こうした不安や対処行動は誰もが程度の差はあれども有していると思います。私たちはこうした患者さんの思いを尊重しながら、専門的に適切に見立て、十分な説明の上にご納得いただいてお薬をお出ししたいと思っています。
お薬は、病いを良くするためには重要な治療手段ですが、それだけでは治療はうまくいきません。治療者が信頼でき、その医師の処方された薬が役に立つとの思いがあってこそ十分な効果が期待出来ます。
逆に言えば、納得いただけていない状態でお薬をお出しすることはありません。
またお薬が必ずしも必要ではない方もおられます。その場合は精神療法や環境調整、生活指導や心理教育等を継続的に行い、無投薬にて治療をさせていただくこともあります。
また児童思春期の患者さんに関しては、投薬は慎重に行う必要があります。心理的側面から症状が出やすい点や成長により緩和してくる点などを評価していきます。